MID-TERM BUSINESS PLAN
メディアスグループを取り巻く医療業界および医療機器販売業界は、医師の働き方改革や高齢化進展を見据えた医療費抑制政策、物流費や医療材料費の高騰など、複数の課題に直面しています。
そのような状況においても当社グループは、「医療を止めない」ための安定供給、ならびにお客様の課題解決への取組みを実践することで、2023年6月期から2025年6月期までの3か年中期経営計画を前倒しでおよそ達成することができました。そのため、2025年6月期からの3か年中期経営計画をアップデートしました。
これまでに、売上高・シェアについては一定の拡大ができたと認識し、2025年6月期から新たにスタートした中期経営計画では、経常利益を指標として年率10%の成長をめざします。業界動向としては更に売上総利益率の低下が見込まれるなか、利益の確保によって経営資源を厚くすることが永続的な成長に向けての課題と考え、収益向上に向けた改善に取り組んでまいります。当社グループ独自のサービス提案の強化、M&Aによる企業規模の拡大と効率的な資源配分、シナジーの創出により安定的な成長をめざし、「地域医療への貢献」という経営理念のもと、更なる企業価値向上に努めてまいります。
項目 | 2025年6月期 | 2027年6月期 |
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売上高 | 2,800億円 | 3,200億円 |
経常利益 | 20億円 | 24億2,000万円 |
当社は、5つのマテリアリティを掲げたサステナビリティ経営を基盤とし、M&A、ソリューションツール、医療機関・メーカー・社内を対象とした業務効率化の3つを強みとしております。そして、本中期経営計画では、「既存事業の構造改革」と「事業投資の選択と集中」を主要なテーマと位置づけ、方針を掲げました。
利益の向上を最優先課題とし、そのために、既存地域での営業活動における生産性の向上を追求します。
具体的には、営業プロセスの見直しや営業支援ツールの活用により、営業効率の改善を図ります。
また、利益の成長を伴わない売上拡大のみの施策は控え、事業運営に関わるすべての経費の効率化を図ります。
成長につながるM&Aとアライアンス戦略に投資を優先し、それ以外の事業投資については、リスクの高いチャレンジングな投資や利益改善につながらない投資は抑制します。投資案件は、PDCAサイクルで効果検証および修正・改善アクションに注力し、早期の利益貢献をめざします。
利益体質強化によって、従業員の報酬への反映、採用・育成の充実をはかり、安定的な人的資本の増強を行い、将来にわたる企業価値向上の礎とします。
事業効率と資本効率の向上によって、盤石な財務基盤をめざします。
中・長期にわたる安定的な成長を維持するために必要な内部留保を確保しつつ、その成長に応じた成果の配分を実施することを基本方針とし、連結での配当性向30%以上を目途に安定的な株主還元をめざします。
日本の医療機器市場は高齢社会化に伴い2060年までは成長が見込まれていますが、成長率の鈍化が課題となっています。当社売上の約6割を輸入品が占める中で、海外メーカーにとって日本市場は成長率の鈍化やコストの高さから魅力が薄れており、ディーラーには広範囲をカバーする流通網と経営の安定性が求められています。メディアスグループは、メーカーから選ばれるディーラーとなるため、M&Aやアライアンスを通じて流通網を拡大していきます。更に専門分野の分社化や統合を行うことで、より効率的な運営体制の構築と営業力のさらなる強化を図ってまいります。
我々の顧客である医療機関は、医師の働き方改革への対応や医療費抑制政策による収入減少、医療材料費の高騰など、経営課題が深刻化しています。メディアスグループは、より良い医療環境の構築をめざす医療機関に必要な複数のソリューションツールを提供し、医療や介護の現場を多方面からサポートすることで、存在価値を高めてまいります。100万点のマスタを持つASOURCE®データベースを基盤とし、複数のソリューションツールを組み合わせて顧客のニーズに対応したオーダーメイドのソリューションを提供することで、医療機関の効率化とディーラー業務の効率化に貢献します。
医療機関・メーカー・グループ社内において、業務の効率化に寄与するサービスの提供および、効率化を図ります。
物流コストの増加や労働時間削減への対応が求められているメーカーや医療機器ディーラーに対し、引取物流や3PL事業を通じて在庫管理や出庫業務を請け負い、物流課題の解決に貢献します。
また、グループ社内においては、営業活動の効率化や顧客満足度向上のため経営管理の変革を実施します。業務の属人化を防ぎ組織力を高めるためにデジタル化を推進し、従業員の成長と能力発揮を支える環境整備や研修教育にも力を入れてまいります。
メディアスホールディングスグループは、『地域医療への貢献』という経営理念のもと、地球環境や社会課題への対応を経営方針の重要項目とし、持続可能な社会の実現に貢献します。特に、事業活動を通じて取り組む重要な社会課題を『マテリアリティ』として定義し、その指針としています。
医療機器ディーラーとして、高品質かつ安全で安心価格の商品を選定し、迅速かつ安定的に供給することをめざしています。さらに、自然災害や新たな感染症などの緊急事態に対応できる物資供給体制を構築し、サプライヤーと共に社会への責任と貢献を果たしていきます。
医療・介護経営に資するトータルソリューションサービスを提供し、地域特性に合った医療・介護現場への情報提供やインフラ整備に貢献します。
GHG削減などの地球温暖化への対応と、サーキュラーエコノミー実現への取組みを進めます。
適切な労使関係を基盤に、多様な人材が活躍できる職場環境と制度を整備します。個人と会社が共に成長できる人事制度と教育研修を通じて、活気に満ちた組織を実現し、人的資本の価値を最大化します。
ガバナンスとリスクマネジメントを強化して社会から信頼され続ける企業であり続けると同時に、事業における持続的な成長との両立をめざします。
これらの戦略を通じて、メディアスホールディングスグループは持続可能な社会への貢献と自社の成長を実現してまいります。