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ワクチンで防げる大人の病気

ワクチンで防げる大人の病気

公開日:2023.09.07

ワクチンは、子どもだけでなく、大人の健康を守るためにも重要な手段です。インフルエンザ、肺炎球菌感染症、帯状疱疹、おたふくかぜ、麻しん(はしか)、風しんなどの疾患は、大人もワクチン接種を受けることによって有効に予防することが可能です。大人のVPD(ワクチンで防げる病気)に焦点を当て、それらに対するワクチンの効果などをまとめます。

インフルエンザ

季節性の流行性感染症であり、高い感染力を持っています。インフルエンザワクチンは、インフルエンザの発症予防効果のほか、重症化や合併症のリスクを軽減し、集団免疫を高める効果があります。通常のインフルエンザワクチンは任意接種で、全額自己負担となりますが、65歳以上の高齢者などは定期接種として公費費用(一部自己負担)で接種が受けられます。

接種スケジュール:
インフルエンザワクチン(不活化ワクチン・任意接種 
※ただし65歳以上の高齢者や60歳以上で疾患等がある方は定期接種)‐毎年1回

肺炎球菌感染症

肺炎や髄膜炎などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。23価肺炎球菌ワクチン(PPSV23)は、特に感染頻度の高い23種類の肺炎球菌による肺炎を予防できるもので、全ての肺炎球菌性肺炎に対する効果は約30%とされます。高齢者や基礎疾患を持つ人々にとって特に有用といえます。定期接種は、PPSV23 未接種で65歳、70歳、 75歳、 80歳、 85歳、 90歳、 95歳、 100歳の人と60歳から65歳未満で基礎疾患を持つ人が対象となります。

接種スケジュール:
13価肺炎球菌ワクチン(不活化ワクチン・任意接種)‐65歳以上および全年齢罹患高リスク者1回
23価肺炎球菌ワクチン(不活化ワクチン・定期接種)‐65歳以上および60~64歳の罹患高リスク者1回。5年ごとに接種。

帯状疱疹

水痘帯状疱疹ウイルスによって引き起こされるウイルス性の感染症で、身体の左右どちらか一方に、刺すような痛みと、これに続いて赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状にあらわれます。重症化すると帯状疱疹後神経痛などにより痛みが長期に渡って継続する場合があるので注意が必要です。抗体保有率は、日本人成人の90%であり、成人のほとんどの体内に水痘帯状疱疹ウイルスは潜み続けています。獲得した免疫は年齢とともに弱まり、特に50歳以上の人は帯状疱疹の発症率が高くなる傾向があります。帯状疱疹ワクチンによる予防が勧められており、発症リスクを生ワクチンで50〜60%、不活化ワクチンで90%以上、軽減することができるとされています。任意接種ですが、50歳以上は受けることができ、自治体によっては公費助成を受けることもできます。

接種スケジュール:
弱毒性水痘ワクチン(生ワクチン・任意接種)‐50歳以上1回
帯状疱疹ワクチン(不活化ワクチン・任意接種)‐50歳以上2回

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)

高い感染力を持つムンプスウイルスによって引き起こされる感染症で、耳下腺の腫脹を特徴とする伝染性疾患です。大人は重症化しやすく、髄膜炎、脳炎、膵炎、難聴などの合併症のリスクが高いです。おたふくかぜワクチンは、世界保健機構(WHO)が水痘と同様に定期接種にすべきワクチンと位置付けていますが、日本では任意接種のワクチンとなっています。多くの国で2回定期接種を導入しており、2回接種の発症者数減少率は97%以上との報告があります。おたふくかぜワクチンは任意接種ですが、自治体によっては公費助成を受けることもできます。

接種スケジュール:
おたふくかぜワクチン(生ワクチン・任意接種)‐2回

麻しん(はしか)・風しん

麻しん(はしか)は麻しんウイルスにより引き起こされる急性熱性発疹疾患です。感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染で人から人へ感染し、感染力が非常に強い特徴があります。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症しますが、獲得免疫は一生持続すると言われています。大人は重症化のリスクが高く、特に妊娠中の感染は、流産・早産を起こす可能性があります。

風しんは風しんウイルスによっておこる急性熱性発疹性疾患で、飛沫感染や接触感染が主な感染経路です。大人がかかると症状が重くなることがあり、特に妊娠中(妊娠初期)の感染は、胎児が先天性風しん症候群(先天性の視覚、聴覚、心臓等の障害を引き起こす病気)に罹患するリスクが高くなります。

麻しん(はしか)・風しんはMRワクチンを接種することによって、95%以上の人が免疫を獲得することができるといわれています。国は子どもの頃に風しんワクチンの定期接種を受ける機会がなかった1962年4月2日から1979年4月1日までに生まれた男性に対し、原則無料で抗体検査を受けることができ、抗体がない人はさらにワクチン接種も受けられる制度を実施しています。この条件に該当しない大人は任意接種となりますが、定期接種を受けられなかった方や妊娠を希望する女性や配偶者を対象に、自治体によっては公費助成がある場合もあります。また、妊娠時には抗体価を測定する機会はありますが、抗体価が低い場合も妊娠中はMRワクチンを接種できませんので、注意が必要です。

接種スケジュール:
MRワクチン(生ワクチン・基本大人は任意接種)‐2回

任意接種は基本的に全額自己負担(公費助成の場合もあります)となりますので、医師などと相談し、自身のリスクや健康状態に基づいて接種を検討することが必要です。

大人も子供と同様に、ワクチン接種によっていくつかの病気を予防することができます。インフルエンザ、肺炎球菌感染症、帯状疱疹、おたふくかぜ、麻しん(はしか)、風しんなどの病気に対するワクチンの効果は科学的に証明されています。ワクチン接種は、個人の健康と社会全体の健康を守るために重要とされます。

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アソースナビ編集部

メディアスグループは、医療機器の販売を中心とした事業を展開しています。医療に携わる私たち(Medical+us)は、医療現場や人々の健康的な明日へ役立つ情報をお届けする情報発信源(Media)の役割も果たしていきたいと考えています。

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