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新型コロナウイルス変異株を早期検出する最新PCR検査

新型コロナウイルス変異株を早期検出する最新PCR検査

公開日:2021.03.29

空港検疫や日本国内で新型コロナウイルス変異株による感染が確認され、変異株の占める割合が増えつつあります。変異株は変異ウイルスとも呼ばれ、従来株が持つ遺伝情報が変化することで、感染力が増したり、病原性が強くなるため、重症化しやすくなったり、ワクチンが効きにくくなる可能性が指摘されています。感染者は全員、無症状を含めて入院対象となっています。

N501Y変異部位を識別することで従来株か変異株かを判定

通常のPCR検査では、ウイルスのゲノムのうち、あまり変異が入りにくいタンパク質の遺伝子を検出します。しかし英国型(VOC-202012/01変異株)や南アフリカ型(501Y.V2変異株)、ブラジル型(501Y.V3変異株)で変異が入っている箇所は、ウイルスが細胞に感染(侵入)するときに機能するスパイクタンパク質の遺伝子で、通常のPCR検査では判別できません。英国型、南アフリカ型、ブラジル型では共通して「N501Y」という遺伝子が変異しており、従来株よりも感染力が増している可能性が指摘されています。

変異株PCR検査(試薬)は、N501Y変異部位を識別することで従来株か変異株かを判定します。この検査は、全国の地方衛生研究所などを中心に行われており、実施できているのは陽性者のうちの約5〜10%とされます。国は変異株PCR検査を早期に約40%に引き上げる方針を打ち出していますが、そのためには、民間の検査会社の協力が不可欠とされます。

変異株の検出頻度調査だけでなく、感染拡大を防止する対策につなげることが重要

厚生労働省 新型コロナウイルス感染症(変異株)への対応を参考に作図

N501Y変異陽性となった場合にはゲノム解析を行い、国立感染症研究所の確認のもとで英国型、南アフリカ型、ブラジル型のタイプを決定します。また、N501Y変異陰性の検体についてもゲノム解析が行われており、免疫やワクチンの効果を低下させる可能性があるE484K変異が新たに確認されています。 

専門家は、国が民間検査会社に対して、通常のPCR検査で陽性を示した検体に対して、追加で変異株の検査も実施してもらえるような指針を示し、民間の検査で変異株陽性が判明した場合は、保健所などに速やかに報告するシステムを構築するなど、変異株の検出頻度を調査するだけでなく、感染拡大防止対策につなげていくことが大切だ、と指摘しています。

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アソースナビ編集部

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