/* Template Name: 投稿ページ「アソースナビ」 Template Post Type: post,asourcenavi */ ?>
ASOURCE®NAVI
公開日:2021.07.13
今月に入り、コロナの感染が急増するインドネシアやミャンマーで医療用酸素の不足が深刻になっているというニュースを見かけるようになりました。これより前の今年3月中旬以降、新型コロナウイルスの感染「第2波」に見舞わられ、医療用酸素の不足が問題となっていたインドでは、日本政府や民間企業などから送られた酸素濃縮装置が医療現場に投入され、医療用酸素不足の解消に役立っています。インドの1日当たりの新規感染者数は減少していますが、感染力が強いとされるデルタ株がさらに変異したデルタプラス株の感染拡大が懸念されています。そこで、酸素濃縮装置の仕組みや適応患者などについてまとめてみました。
医療用酸素を作り出すのが酸素濃縮装置と呼ばれるもので、空気中に含まれる酸素を濃縮します。空気は、約78%の窒素と約21%の酸素およびその他微量のガスで構成されており、その中から窒素を除去する処理を行うことで酸素を90%以上濃縮した混合ガスを作り出すことができます。それにはいろいろな方法がありますが、一般的に利用されるのはゼオライトという、圧力を加えると窒素を吸着する特性を持つ鉱物です。酸素濃縮装置の中にゼオライトを設置し、加圧して窒素を吸着させることで高濃度の酸素を作り出した後、窒素を排出して再び吸着できるようにします。最大7リットル/分までの流量を供給できます。
酸素濃縮装置は、以前は大型のものでしたが、現在は小型化され、ファンヒーターや空気清浄機並みの大きさとなっています。また、高齢者の使用が多いので、本体の液晶画面を大きくしたり、電源が入っていない場合は音声で知らせるものもあります。近年では、外出や旅行用により持ち運びやすくバッテリーも搭載された携帯型の酸素濃縮装置も登場しています。酸素を吸入する器具としては、簡便で圧迫感や閉塞感がない鼻カニュラが一般的です。同装置は在宅医療機器として広く活用されています。
酸素濃縮装置は、主に慢性呼吸不全、肺高血圧症、慢性心不全、群発頭痛などの患者が自宅で酸素を吸入する在宅酸素療法(HOT)のために使われています。約17万人の患者が利用し、その中でも慢性閉塞性肺疾患患者の占める割合が多いとされます。1985年に保険適用の対象となり、在宅でも酸素療法が可能となりました。そして現在、新型コロナウイルス感染症の流行により中等症以上の患者に対する呼吸管理として使用されています。
メディアスグループは、医療機器の販売を中心とした事業を展開しています。医療に携わる私たち(Medical+us)は、医療現場や人々の健康的な明日へ役立つ情報をお届けする情報発信源(Media)の役割も果たしていきたいと考えています。