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薬剤師になるための条件とは

薬剤師になるための条件とは

公開日:2024.09.24

薬剤師は、医療現場において重要な役割を果たしています。薬の専門家として、患者さんに医師の処方にそった薬を提供し、薬の使用方法や副作用についてのアドバイスを行うほか、医師や看護師と連携し、患者さんの治療をサポートすることで、医療の質を向上させることにも寄与しています。また、公衆衛生の向上に貢献し、感染症対策や健康教育などを通じて社会全体の健康を守る役割も担っています。ここでは、薬剤師のなり方や、活躍の場所、海外との比較などについて解説します。

医療チームの一員としての薬剤師の役割

薬剤師の役割は、単に薬を調剤するだけではありません。患者さんの安全な薬物療法を確保するため、薬物療法の専門家として、患者さんの服用している他の薬との相互作用などを考慮し、適切な薬物療法を提案します。また、薬剤情報提供者として、薬の作用、副作用、服用方法などを分かりやすく説明し、患者さんが安心して薬を服用できるようサポートします。さらに、患者さんの相談役として、薬に関する不安や疑問に丁寧に答えることで、患者さんの薬に対する理解を深めます。そして、医療チームの一員として、医師や看護師など、他の医療従事者と連携し患者さんの健康管理に参画します。高齢化社会や複雑な医療ニーズの高まりの中、薬剤師の役割はますます重要になっています。

6年制の薬学教育

薬剤師になるためには、大学で薬学を学び、国家試験に合格する必要があります。日本では、2006年から6年制の薬学教育が導入されており、その課程を修了する必要があります。薬学部の授業では、薬学に関する基礎的な知識、薬の作用メカニズム、製剤学、薬物動態学、臨床薬学、医療倫理などを学びます。大学卒業後、薬剤師国家試験を受験し、合格すると薬剤師免許を取得できます。この試験は年に一度実施され、合格率は例年70%前後とされます。

調剤薬局など様々な場で活躍

免許を取得した後は、薬剤師として登録し、様々な場所で活躍することができます。主な職種としては、①薬局で薬の調剤、服薬指導、薬に関する相談などを行う調剤薬局薬剤師、②病院で医師の指示に基づいて薬の調剤、患者さんへの薬物療法の指導、薬剤管理、薬剤情報提供などを行う病院薬剤師、③医薬品開発、製造、販売、マーケティングなどの業務を行う製薬会社勤務、④薬学研究を行い、新しい薬の開発や医療技術の向上を目指している大学・研究機関での研究職などがあります。その他にも、行政機関で薬事行政に関与したり、ドラッグストアで一般用医薬品の販売を担当する薬剤師もいます。

日本と海外の比較

日本と海外では、薬剤師の教育システムや業務範囲に違いがあります。例えば、日本では6年制大学を卒業して学士(薬学)の学位を取得することで薬剤師国家試験の受験資格が得られますが、米国ではPharm.D.(薬学博士)が一般的であり、学習期間も異なります。 米国のPharm.D.プログラムは通常、学部課程4年間(大学)の後に4年間の専門教育を受ける必要があります。この間、臨床実習やインターンシップなどの実践的な経験も含まれ、より高度な臨床スキルと知識を身につけることができます。また、日本の薬剤師は主に薬の調剤や患者さんへのアドバイスを行いますが、海外では薬剤師が薬を処方する権限を持つ国もあり、医療チームの中での役割がより広範囲にわたる場合もあります。例えば、米国の一部の州では、薬剤師が特定の条件下で処方箋を書く権限を持っており、予防接種を行うこともあります。米国では薬剤師の年収は高く、社会的地位も高いとされています。

また、海外では、オンラインでの薬の注文や相談が一般的になりつつあり、日本でもこのトレンドが徐々に広がっています。特に新型コロナウイルスのパンデミック以降、遠隔医療や遠隔薬局サービスの需要が世界的に増加しており、薬剤師の役割も従来の対面サービスからオンラインサービスへと拡大しつつあります。

慢性疾患管理や在宅医療への関与が増加

薬剤師の将来は、テクノロジーの進歩と社会の変化に大きく影響されると予想されます。AI(人工知能)や自動化技術の発展により、調剤業務の効率化が進む一方で、薬剤師にはより高度な判断力と患者さんとのコミュニケーション能力が求められます。また、超高齢社会の進展に伴い、慢性疾患管理や在宅医療への関与が増加すると考えられます。薬剤師は、医療チームの一員としてより積極的に患者さんの健康管理に参画し、個別化医療の実現に向けて重要な役割を果たすことが期待されています。

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アソースナビ編集部

メディアスグループは、医療機器の販売を中心とした事業を展開しています。医療に携わる私たち(Medical+us)は、医療現場や人々の健康的な明日へ役立つ情報をお届けする情報発信源(Media)の役割も果たしていきたいと考えています。

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