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マイナンバーカードと健康保険証の一体化が10月まで延期

マイナンバーカードと健康保険証の一体化が10月まで延期

公開日:2021.06.04

マイナンバーカードを健康保険証の代わりとして本人確認に利用する、オンライン資格確認システムの本格実施が今年3月から10月までに延期となりました。3月下旬の開始予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響による医療機関や薬局の導入の遅れがあったことや、プレ運用でデータ入力ミスによるエラーが発覚したことなどを考慮した措置とされます。

オンライン資格確認の大まかな流れ

このオンライン資格確認システムは、レセプトのオンライン請求のネットワークを活用して、国民の公的医療保険の資格履歴を一元的に管理し、マイナンバーカードのICチップや健康保険証の記号番号などによって、医療機関や薬局がリアルタイムに患者の資格情報を照会できるようにするものです。

医療機関などがこのシステムを導入するには、「オンライン資格確認・医療情報化支援基金関係医療機関等向けポータルサイト」でアカウント登録した上で、①マイナンバーカードの読み取り・資格確認のソフトウェア・機器の導入、②ネットワーク環境の整備、③レセコン、電子カルテ等の既存システムの改修が必要となります。マイナンバーカードを読み取る「顔認証付きカードリーダー」は診療所と薬局には各1台、病院には3台まで無償で提供されます。厚労省は、診療所の場合、補助上限の4分の3を、病院の場合は補助上限の半額を補助します。

マイナンバーカードを保険証として利用する流れとしては、まず利用者の事前登録(初回登録)が必要となります。登録はパソコンやスマートフォンから政府が運営するオンラインサービス「マイナポータル」にアクセスして行います。また、セブンイレブン店舗にあるATMや顔認証付きカードリーダーを設置済みの医療機関や薬局の窓口でも行えます。登録後、患者が医療機関などの受付で「顔認証付きカードリーダー」を使って認証します。すると、レセプトコンピューターから保険診療請求する際に使うネットワークを通じて「オンライン資格確認等システム」にアクセスし、患者の保険資格を確認します。

導入により事務作業の軽減が図れる

このシステムには、健康保険組合などの保険者があらかじめ入力した、被保険者の番号や資格情報などが登録されています。このため、医療機関では保険証の入力作業の手間が減ったり、資格過誤によるレセプト返戻作業が減る利点があるとされます。また、患者の同意を得られれば、医師は患者の薬剤情報や特定健診の結果を閲覧できますので、薬の重複投与や相互作用の防止にも役立つものと思われます。

利用者のメリットとしては、自身の特定健診の結果や過去に処方された薬剤、医療費などの情報が閲覧できます。また、転職や引っ越しをした場合、新しい保険証が届くまで時間がかかりますが、保険者の手続きが完了次第、医療機関を受診できます。このほか、「マイナポータル」から医療費情報を取得することで、医療費の領収書がなくても国税庁のオンラインサービス「e-Tax」と連携して確定申告することも可能となります。

2022年度以降はこのシステムを利用して電子処方箋の発行などの運用も計画されています。

カードリーダーの申し込みをした施設は今年3月21日時点で10万2,565施設(44.9%)でした。内訳としては、病院が約5,002施設(60.4%)、医科診療所が3万778施設(34.6%)、歯科診療所が2万6,885施設(37.9%)、薬局が3万9,900施設(66.5%)となっています。一方、マイナンバーカードの健康保険証利用の申し込み状況は約311万件(マイナンバー交付件数の8.9%)にとどまっています。

厚労省によると、本格運用を今年10月まで延期となった理由としては、①新型コロナウイルス感染症の影響などによるシステム改修の遅れ、②世界的な半導体不足によるパソコン調達の遅れ、③一部カードリーダーメーカーの生産の遅れなどにより、導入準備に遅れが生じたとしています。
また、本格運用前のテストとして今年3月に実施したプレ運用では、保険者が登録した加入者データの不備による資格確認エラーや、院内システムへの読み取りエラーなどが発生したことも要因ととなっています。

マイナンバーの誤入力をシステム的にチェック

厚労省が示した新しいスケジュールでは、4〜6月にマイナンバーの誤入力をシステム的にチェックする機能を導入したり、請求に必要となる保険資格情報の再確認・修正を重点的に実施することにしています。さらに、マイナンバーの誤入力がないかを、「地方公共団体情報システム(J-LIS)」に照会をかけて再確認したり、実際の運用で検知したデータ誤りを含めてデータの確認・修正を行います。これらの確認・修正作業を行った後に最終確認を行い、10月までに本格運用を開始する運びとなっています。

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アソースナビ編集部

メディアスグループは、医療機器の販売を中心とした事業を展開しています。医療に携わる私たち(Medical+us)は、医療現場や人々の健康的な明日へ役立つ情報をお届けする情報発信源(Media)の役割も果たしていきたいと考えています。

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