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公開日:2021.09.27
世界では新たな変異ウイルスが次々と報告されています。現在、注目されている変異株であるコロンビア由来のミュー株とペルー由来のラムダ株の流行や特徴などについてまとめました。
世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスの変異株の危険度の順に「懸念される変異株(VOC)」「注目される変異株(VOI)」「監視を継続する変異株」の3つに分類しています。最も危険とされるVOCは、現在世界中で流行しているインド由来のデルタ株のほか、英国由来のアルファ株、南アフリカ由来のベータ株、ブラジル由来のガンマ株の4種類が指定されています。そして、VOIにはミュー株、ラムダ株など5種類が指定されています。さらに監視を継続する変異株が12種類指定されています(9月2日時点)。
ミュー株は今年8月30日にWHOよりVOIに指定されました。2021年1月に南米のコロンビアで初めて見つかり欧州でも感染が確認されています。WHOによると、8月末時点でミュー株の有病率は世界では0.1%未満ですが、コロンビアでは39%、エクアドルでは13%と増加傾向にあります。9月13日時点で日本を含む48か国で報告されています。国内では、ミュー株は今年6月と7月に入国した2人から検出されました。
ミュー株には21の変異があり、ウイルスの突起部分であるスパイクタンパク質の遺伝子に「N501Y」と「E484K」の変異が含まれています。N501YとE484Kの両方の変異はベータ株とガンマ株が持つ変異です。N501Yの変異のある変異株は、従来株により感染力が強く、E484Kの変異のある変異株は従来株よりも、免疫やワクチンの効果を低下させる可能性が指摘されています。また、P681Hの変異も確認されており、従来株よりも感染しやすい可能性が考えられています。
東京大学医科学研究所などの研究チームがファイザー製ワクチンの接種者や従来株の感染者の血液を用いて変異株に対する抗体の効果を調べたところ、ミュー株に対しては、ワクチン接種者の抗体効果が従来株よりも7分の1以下に低下していました。
一方、ラムダ株は国内で今年7月に入国したペルー滞在歴のある五輪関係者から見つかっています。2020年8月に南米のペルーで初めて報告され、南米を中心に世界約30か国に広がっています。WHOは今年6月この変異株をVOIに指定しました。現在、南米では、新型コロナの新規感染者の20%以上がラムダ株によるものだとされています。
ラムダ株は、スパイクタンパク質の遺伝子に「F490S」「L452Q」などの変異があり、従来株やアルファ株、ガンマ株などよりもウイルスの感染力が高まっている可能性が指摘されています。また、mRNAワクチンによって体内で作られる中和抗体効果を弱める可能性が研究によって示されています。
今後、新型コロナの新しい変異株が出現するリスクがありますが、ミュー株やラムダ株の登場は、そのような変異が新型コロナの感染力を高めたり、ワクチンの効果を低下させたりする可能性があることをクローズアップしたといえます。
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