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日本の誇る医療技術(1)内視鏡

日本の誇る医療技術(1)内視鏡

公開日:2024.04.09

日本は内視鏡の医療技術において、世界をリードする地位を築いています。内視鏡は、体の内部を直接観察するための先進的な医療機器で、その代表的なものとして胃カメラや大腸カメラ、腹腔鏡があります。これらの技術は、病気の早期発見や治療において画期的な進展をもたらし、日本はその性能向上に向けて精力的に研究開発を進めてきました。

本格的な胃カメラ完成まで

内視鏡自体の歴史は古代ギリシャ・ローマ時代にまで遡りますが、その開発は19世紀末にドイツで始まりました。その後、日本において1950年に東京大学医学部外科の医師がオリンパス光学工業(現オリンパス)の協力を得て初めて本格的な胃カメラを完成させました。この胃カメラは、体内に挿入される柔軟な管の先端に超小型カメラと撮影用の豆ランプを備え、手元操作部から遠隔操作できるようになっていました。しかし、まだ不十分な点があり、臨床的な実用化には至りませんでした。そして、研究を引き継いだ東大を中心とするグループが胃カメラ研究会を設立。研究会とメーカーの連携により、フィルムのカラー化を進め、1960年に標準型とされるV型胃カメラを開発し、これが内視鏡の急速な普及につながりました。この時期にファイバースコープが登場し、軟性鏡が曲がった状態でも画像伝送が可能になり、医師がリアルタイムで病変部を見ることが実現しました。1964年には、さらに写真を撮る機能を備えたファイバースコープ付胃カメラが登場しました。

ビデオスコープ(電子スコープ)が現在の主流

ファイバースコープは接眼部から病変部を観察するものですが、その後、テレビモニター上で画像を観察することができるビデオスコープ(電子スコープ)が開発され、これが現在の主流となっています。細い内視鏡の先端にも組み込み可能なCCD(電荷結合素子)の開発がビデオスコープの実現に寄与したとされます。米国発の技術を取り入れた内視鏡ビデオスコープは、1985年に登場しました。2000年に入り、診断の精度をより向上させるために高画質・高解像度の方向に向かっており、ハイビジョン電子スコープが登場しています。ハイビジョン方式では、従来式よりも高画質、高品位な画像が得られ、画像を拡大しても劣化が見られず微細な観察が可能となりました。

内視鏡AIの開発

近年、先進的な内視鏡技術が進展してきています。その中で特に注目されているのは、超音波内視鏡やカプセル内視鏡などです。超音波内視鏡は、内視鏡の先端に小型の超音波振動子を備え、体腔内からがんの深さを評価するために超音波信号を発信します。一方、カプセル内視鏡は飲み込むことで消化管の検査が可能です。

また最近では、内視鏡と人工知能(AI)の組み合わせが注目を集めています。内視鏡AIは、内視鏡を使用して胃や大腸を検査する際に、AIによる画像認識機能を活用し、がんの疑いがある領域を高精度で検出するシステムです。日本はAI開発において遅れをとっていると言われていますが、日本の消化器内視鏡医療は水準が高く、高度で質の高いデータが豊富に集まりやすいため、内視鏡AIの開発では優れた成果を上げています。2019年に大腸用の内視鏡AIが初めて実用化され、2020年代に入り複数の国内メーカーが続々と製品を市場投入しており、胃や大腸、食道など様々な臓器を対象としたシステムが登場しています。

日本の内視鏡の開発史

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MEDIUS

アソースナビ編集部

メディアスグループは、医療機器の販売を中心とした事業を展開しています。医療に携わる私たち(Medical+us)は、医療現場や人々の健康的な明日へ役立つ情報をお届けする情報発信源(Media)の役割も果たしていきたいと考えています。

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