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公開日:2023.02.06
病院で受診後に薬局へ持っていく紙の処方箋をデジタル化した電子処方箋の運用が1月26日から始まりました。全国的な普及にはまだ至っていませんが、患者の診療データを一元化することで、重複処方や不適切な飲み合わせ処方が避けられることなどが期待されます。電子処方箋の仕組みのほか、医療機関・薬局側のメリット、患者側のメリット、普及に向けた課題などについてまとめました。
電子処方箋の仕組みとしては、まず、医師が診察した患者の処方データを国が設置した管理サーバーに登録します。患者が薬局でマイナンバーカードや健康保険証を提示すると、薬剤師はサーバー上で患者の処方データを確認し、処方薬を患者に提供します。これまでは、医療機関や薬局が患者の処方情報を個別に管理していましたが、電子処方箋のシステム導入によってデータベースで一元的管理が可能となります。
医療機関や薬局は、患者の同意のもとに患者に過去に処方された薬剤情報をデータベースで知ることができるので、重複した処方や不適切な飲み合わせの併用を避けることができるようになります。モデル事業として電子処方箋を先行導入した日本海総合病院(山形県酒田市)によると、周辺地域では2020年の処方全体のうち、重複処方が13%、飲み合わせの悪い薬の併用処方が0.4%発生していました。このことから、電子処方箋の導入は医療の安全性の向上や医療費のムダ削減につながるものと期待されます。
電子処方箋の利用により患者は紙の処方箋を薬局に持っていく必要がなくなります。マイナンバーカードの使用者のほか、従来の健康保険証の使用者でも電子処方箋の発行を受けることは可能で、その場合、患者は医療機関で発行した処方内容を記録した控えを薬局に渡す必要があります。マイナンバーカードに健康保険証の情報を紐づけた「マイナ保険証」を持っている場合は、薬局でカードを提示するだけで処方を受けられます。また、患者はマイナンバーカードを利用して各種申請や個人情報を確認できる個人向けwebサイト「マイナポータル」より、自分に処方された過去3年分の服用歴を確認できるので、紙のお薬手帳に記録して保存する必要は無くなります。さらにオンライン診療やオンライン服薬指導と組み合わせれば、自宅で診察から処方まで受けられることも可能となります。
しかしながら1月26日から電子処方箋の運用を開始できるのは、30都道府県の医療機関19か所、薬局148か所にとどまり、まだどこでも使える状況にはなっていません。電子処方箋を運用するには医療機関や薬局が専用のシステムを導入する必要があり、厚労省は普及に向けて導入補助を出すなど支援を行っています。また、1月22日時点でマイナンバーカードの普及率は全国民の67.3%で、うち保険証として登録しているのは57.6%となっており、さらなる普及が望まれています。
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