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公開日:2022.10.27
乳がん検診の早期受診を呼びかける10月のピンクリボン月間にちなみ、乳がんの検査について3回にわたってまとめます。第2回目は超音波(エコー)検査と細胞・組織検査について紹介します。
乳がん検査の主流はマンモグラフィ(X線撮影)ですが、それだけでは分かりにくいがんもあるため、最近は超音波(エコー)検査と組み合わせて実施することも考慮されています。マンモグラフィを受けたグループと、マンモグラフィに超音波検査を加えたグループを無作為に分けて比較する大規模臨床試験(J-START)では、乳がんの発見率が超音波検査を加えたグループの方が1.5倍高くなったという結果が出されています(ただし、死亡率を低減させる効果はまだ認められておらず、その検証のために引き続き研究が必要とされています)。
超音波検査では、乳房に探触子を当てて、周波数の高い超音波を送り、乳房内部から返ってくる音波の変化をコンピュータで画像に変換し、その断面を診断します。乳房内の病変の有無、しこりの性状や大きさ、脇の下など周囲のリンパ節への転移の有無を調べます。とりわけ、しこりを写し出すことに優れています。触診では発見しにくい大きさのしこりも写し出せます。また、多くの場合、しこりの形や境目部分の性状などから良性か悪性を判断することができます。
特に40歳未満の女性の場合、マンモグラフィではいわゆる高濃度乳房(乳腺の密度が濃い状態でマンモグラフィの画像でみると、白い部分が多い乳房)になり、しこりがあるかどうかが判断しにくい場合があります。そのようなケースでも超音波検査ではしこりが確認できることがあります。放射線による被ばくの心配がないため、妊娠中でも検査が可能です。また、乳房に痛みや炎症がありマンモグラフィができない人にも適しています。ただし、乳がんに特徴的にみられる小さな石灰化をみつけることはマンモグラフィの方が検出しやすいとされます。石灰化とは、乳房の一部にカルシウムが沈着した状態です。マンモグラフィ上は真っ白な砂粒のような影で映り、小さいものが一カ所にたくさん集まっている場合には悪性が疑われます。
乳がんの可能性がある場合には、病変の細胞や組織を採取し、顕微鏡で見て確定診断をします。主に、乳頭から出る分泌物を調べる細胞診と、超音波検査などで画像を確認しながらしこりなどの病変に細い針を刺して注射器で吸い取った細胞を顕微鏡で調べる細胞診があります。多くの場合、局所麻酔をせず、患者さんの体にかかる負担が最も少ない簡便な検査といえます。ただし、偽陽性(がんでないのにがんであると診断されてしまうこと)や偽陰性(がんであるのにがんでないと診断されてしまうこと)がまれにあるという欠点があります。
組織診は、画像上で乳がんが疑われるにもかかわらず、細胞診で乳がんと診断できなかった場合などに行われます。局所麻酔を行い、超音波検査で確認しながら病変部の組織を採取し、顕微鏡で調べます。組織診には、細胞診より太い針を使用する場合のほか、外科的に組織を取る場合があります。調べられる細胞や組織の量が多いため、がんのより詳しい情報を得ることが可能です。がん細胞が含まれている場合には、がんの性質を調べ、最適な治療法の選択を行っていきます。
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