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公開日:2022.10.18
10月は乳がん検診の早期受診を呼びかけるピンクリボン月間です。乳がんは、子育てや介護、仕事に忙しい年代に多いとされますが、早期に発見し早期に治療すれば良好な経過予後が期待できます。そこで、乳がんの検査について3回にわたってまとめます。第1回目はがん検診の種類とマンモグラフィについて紹介します。
日本人の女性は9人に1人が乳がんになります。30歳代後半から増加し、40歳以上の年代に多く、40歳代、50歳代の女性のがん死亡原因のトップとなっています。罹患者の多くは子育てや介護、仕事に多忙で自分のことが後回しになる世代ともいわれています。乳がんは今も罹患数とともに死亡数も増加し続けています。
全国がんセンター協議会のまとめによると、2010~2012年に診断された初期乳がん(ステージI)の5年相対生存率は100%です。早期に発見すれば良好な経過予後が期待できます。乳がんの早期発見は極めて重要といえます。その一つの方法が検診です。
がん検診には、国や自治体が実施する「対策型」と、個人が任意に受ける「任意型」の2種類があります。国の方針では、対策型の乳がん検診について、対象は40歳以上の人、推奨される受診間隔は2年に1回、主な検診内容は問診とマンモグラフィとしています。任意型の乳がん検診は、人間ドックなどが相当します。自己負担が原則で、自分の目的や好みに合わせて検診を選択できます。乳がん検診の受診率は2019年の国民生活基礎調査によると、47.4%と低い数字でした。
乳がんの検査には、目で見て確認する視診、触って確認する触診、マンモグラフィ(X線撮影)、超音波(エコー)検査があります。乳がんの可能性がある場合には、病変の細胞や組織を顕微鏡で調べる病理組織学的検査、がんの広がり方や転移を調べるためには、CT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(核磁気共鳴画像)検査、骨シンチグラフィ、PET(陽電子放射断層撮影)検査などがあります。
視診では、乳房の大きさや形、ひきつれ、腫れ、乳頭からの異常分泌の有無を目で観察します。触診では、乳房を実際に触って、しこり(腫瘤)の有無や大きさ、形、硬さ、表面の状態などを確認します。乳房以外にも脇の下や鎖骨の上のリンパ節もチェックします。
乳がんの標準的な検査方法はマンモグラフィで、死亡率低減に効果のある検査とされます。マンモグラフィは、乳房専用のX線検査です。撮影は、乳房をプラスチックの板と撮影台で押さえて、できるだけ平らに伸ばして上下左右それぞれ2方向から撮影します。検査の際は乳房に張りのある人は多少の痛みを伴うことがあります。乳房を薄く伸ばすことで乳腺が広がり、やや白く見えるしこりがより鮮明に観察可能となります。しこりは良性と悪性の場合がありますが、画像診断でその区別がつかない場合は,細胞診などで判断します。マンモグラフィでは、触診では見つけられない小さなしこりや石灰化を伴うごく小さな乳がんを見つけることができます。
マンモグラフィの画像上では、乳腺は白く、脂肪が黒く写りますが、乳がんなどの病変も白く写るために、乳腺が多く脂肪が少ない「高濃度乳房」の人(30代以下の人に多いとされます)では、白い乳腺の陰に病変が隠れてがんが見つかりにくいという傾向があります。40代になると、乳腺組織は脂肪組織に置き換わり始めます。そのため、30代以下の人はマンモグラフィよりも超音波検査が適しているともいわれています。マンモグラフィの1回の撮影で乳房が受ける放射線の量は、一般の人が1年間に受ける自然放射線量の 50分の1程度で、健康上の影響はほとんどないと考えられています。ただし,妊娠中の人は本当にマンモグラフィをする必要があるかどうかを医師とよく相談する必要があるとされます。
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